
White shirts
第2章 はじめまして
朝月高校に制服採寸しに入学前一度訪れた時、たまたま順番が前後だった貴史と仲良くなった。
へらへらしてて、陰りがない。すごく良い奴。
話の流れでバンドに誘われて、元々歌うことは好きだったし、その帰りに寄ったカラオケで試しにミスチルを歌ったら一発OKで加入が決まった。
他のメンバーはまだ決まってないって言うけど、「そのうち決まるでしょ」くらいに思っていた。
数日後の入学式後、見事に貴史は新メンバーを連れてきた。名前は、島田将生。
将生の第一印象は、ちっちゃくて暗い。けど芯がある。
そんな感じだったと思う。
でも話していくうちに、実はめちゃくちゃ面白くて良い奴なんだってことも分かって。
こいつとならバンドやりたいと思った。
しかも控えめなくせにめちゃくちゃ整った顔立ちで、
形のいい唇。会話の最中もそこに目が行ってしまった。
男相手にこんなにどきどきしたのははじめてだった。
だからつい言葉に出してしまったんだと思う。
『もう、出会うべくして出会ったね。おれら』
言ったあとに「しまった」と思った。
これじゃただの口説き文句だ…。引かれるだろうな…と青ざめていたら、将生は少し笑って言った、
『そうだね。運命かも』
その笑った顔は、本当に綺麗で。
未だにあの時の将生の笑顔を上手く形容できない。
そして俺はこのとき確信した。
「…destiny」
将生に、一目惚れしたんだと。
