
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
「教祖と私が神力を出せば、不可能はありません!」
「死者にも口はあります、私には神ヤハーベがついております。
神の力が、奇跡を起こすのです」
二人は、自信に満ちていた。
そして、教祖が目を開いて立ち上がり。
「丸陳流太さん、幹部全員集合しだい儀式を行います」
「はい!」
丸陳流太が、慌てて教祖様室を出て行った。
教祖と愛留が玉座の真ん中に座り、その周りを幹部12人で囲んでいた。
二人が祈りを唱えると、無明の闇が広がった。
突然、教祖が叫んだ。
「湯田幸吉の霊体よ、降りてこい!魂よ降りてくるのだ!
我は、明石教祖なるぞ!」
すると、声が室内に響いて来た。その声は愛留の口から出ていたのだ。
「明石教祖、助けてくれ・・・」
幹部達は、互いに顔を見合わせた。
明らかに愛留の声が、湯田の声に変化したのだ。
次第に愛留の表情が険しくなり、何かに憑かれたようだ。
「私は、湯田幸吉と言います」
湯田は次第に、すすり泣くように喋り始めた。
「悲しい、殺されてしまいました」
「貴方は、誰に殺されたのですか?」
突然、士門刑事が訊いた。
「分かりません、気がついたら死んでいたのです。
何処にいるのかさえ判らず、辺りは真っ暗で深い闇の中にいます。
此処が、地獄なのかもしれません」
「会社から横領した多額の現金を、何処かに隠したそうですが」
「私は、大変な罪を犯してしまいました。
罪滅ぼしをしないと、地獄から出る事は出来ません。
いつの間にか私は、三途の川を渡っていました。
川を渡り終えると、牛頭馬頭という鬼が私を引っ張っていき、閻魔様の前まで
連れていかれるのです。
そこで、アカシックレコードという映画を見せられますが、映画の主人公は
私自身何です。裁判が終わると牛頭馬頭に奥に連れていかれ、
鋸や斧で身体を切り刻まれるのです。
それを、何度も繰り返す・・・」
「それは、無限地獄ですね」
教祖が、ポツリと呟いた。
「助けて下さい、教祖!何でも話します。
私が死ぬ前にも、真理麗佳が同じ事を訊いて来ました。
でも、言いませんでした。
隠したお金は全て、愛する妻の自宅に隠しています」
「自宅の何処だ!!」
思わず丸陳流太が、叫んでしまった。
暫く湯田の沈黙が続いた後、やっと愛留が重い口を開いた。
「死者にも口はあります、私には神ヤハーベがついております。
神の力が、奇跡を起こすのです」
二人は、自信に満ちていた。
そして、教祖が目を開いて立ち上がり。
「丸陳流太さん、幹部全員集合しだい儀式を行います」
「はい!」
丸陳流太が、慌てて教祖様室を出て行った。
教祖と愛留が玉座の真ん中に座り、その周りを幹部12人で囲んでいた。
二人が祈りを唱えると、無明の闇が広がった。
突然、教祖が叫んだ。
「湯田幸吉の霊体よ、降りてこい!魂よ降りてくるのだ!
我は、明石教祖なるぞ!」
すると、声が室内に響いて来た。その声は愛留の口から出ていたのだ。
「明石教祖、助けてくれ・・・」
幹部達は、互いに顔を見合わせた。
明らかに愛留の声が、湯田の声に変化したのだ。
次第に愛留の表情が険しくなり、何かに憑かれたようだ。
「私は、湯田幸吉と言います」
湯田は次第に、すすり泣くように喋り始めた。
「悲しい、殺されてしまいました」
「貴方は、誰に殺されたのですか?」
突然、士門刑事が訊いた。
「分かりません、気がついたら死んでいたのです。
何処にいるのかさえ判らず、辺りは真っ暗で深い闇の中にいます。
此処が、地獄なのかもしれません」
「会社から横領した多額の現金を、何処かに隠したそうですが」
「私は、大変な罪を犯してしまいました。
罪滅ぼしをしないと、地獄から出る事は出来ません。
いつの間にか私は、三途の川を渡っていました。
川を渡り終えると、牛頭馬頭という鬼が私を引っ張っていき、閻魔様の前まで
連れていかれるのです。
そこで、アカシックレコードという映画を見せられますが、映画の主人公は
私自身何です。裁判が終わると牛頭馬頭に奥に連れていかれ、
鋸や斧で身体を切り刻まれるのです。
それを、何度も繰り返す・・・」
「それは、無限地獄ですね」
教祖が、ポツリと呟いた。
「助けて下さい、教祖!何でも話します。
私が死ぬ前にも、真理麗佳が同じ事を訊いて来ました。
でも、言いませんでした。
隠したお金は全て、愛する妻の自宅に隠しています」
「自宅の何処だ!!」
思わず丸陳流太が、叫んでしまった。
暫く湯田の沈黙が続いた後、やっと愛留が重い口を開いた。
