
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
佐村は、タクシーで埼玉県内の大宮市にある、明石クリニックと言う廃病院に着いた。
周囲は竹藪に囲まれ、壁が所々剥がれ落ちている。
大きな穴が開いている、場所もある。
周りは雑草が茂り、ゴミが散乱していて不気味な佇まいを見せていた。
中に入ってみると竹藪が太陽光を遮り、薄暗かった。
床には、硝子の破片や空き缶が散らばっている。
ゆっくり進むとドアがあり、開けると中には誰も居ない。
更に進むと左手にドアがあるのだが、中から話声が聞こえて来た。
そっと耳を澄ますと、声の主は二人の男らしかった。
中では男達が、黒のスーツを着て白いネクタイを締めている。
明らかに、反社会勢力と解る着こなしである。
「兄貴何故、盛社長だけで無く奥さんまで殺害したんですかい?」
「明石教祖は、盛社長だけを始末して由紀子を操り、盛財閥の総資産を横取り
する積もりだったんだが、そうなると我々の組には一銭も入ってこない。
だから丸陳流太の提案で、夫婦を殺す事にしたんだ」
「でも、夫婦ごと殺害してしまったらどうやって財産を奪うんですかい?」
「そこだ!実は、達三は盛一族の養子で実際の権利は由紀子にある。
由紀子には、妹がいる。
その妹を操作して、財産を乗っ取る計画なんだ」
「丸陳流太と言う人は、どういう人何ですかい?」
「我々、ヤクザの組長の息子なんだ」
「組長の息子?」
「初代組長が丸陳雅人と言って、丸陳流太は長男なんだ。
ある時、組長が若くして病死してしまったんだ。
当然、息子の丸陳流太が二代目組長なのだが、当時はまだ10歳の子供。
そこで選ばれたのが、明石三郎だったんだ。明石組長が二代目組長として
襲名したのさ」
「という事は、明石教祖は明石三郎の息子だったんですね」
「その通りだ、だが、明石教祖には組の実権は無い。
組を仕切る事が出来るのは、丸陳流太組長だけなんだ」
「でも何故、丸陳組長は明石教祖の下で幹部をしてるんですかい?」
「そこなんだ!盛財閥だけでなく、更には伊佐屋グループの総資産もだ」
「あの、伊佐屋豊社長ですかい?」
「既に、伊佐屋豊の自宅にもヒットマンを送っている。
「伊佐屋社長も、殺っちまうんですかい?」
周囲は竹藪に囲まれ、壁が所々剥がれ落ちている。
大きな穴が開いている、場所もある。
周りは雑草が茂り、ゴミが散乱していて不気味な佇まいを見せていた。
中に入ってみると竹藪が太陽光を遮り、薄暗かった。
床には、硝子の破片や空き缶が散らばっている。
ゆっくり進むとドアがあり、開けると中には誰も居ない。
更に進むと左手にドアがあるのだが、中から話声が聞こえて来た。
そっと耳を澄ますと、声の主は二人の男らしかった。
中では男達が、黒のスーツを着て白いネクタイを締めている。
明らかに、反社会勢力と解る着こなしである。
「兄貴何故、盛社長だけで無く奥さんまで殺害したんですかい?」
「明石教祖は、盛社長だけを始末して由紀子を操り、盛財閥の総資産を横取り
する積もりだったんだが、そうなると我々の組には一銭も入ってこない。
だから丸陳流太の提案で、夫婦を殺す事にしたんだ」
「でも、夫婦ごと殺害してしまったらどうやって財産を奪うんですかい?」
「そこだ!実は、達三は盛一族の養子で実際の権利は由紀子にある。
由紀子には、妹がいる。
その妹を操作して、財産を乗っ取る計画なんだ」
「丸陳流太と言う人は、どういう人何ですかい?」
「我々、ヤクザの組長の息子なんだ」
「組長の息子?」
「初代組長が丸陳雅人と言って、丸陳流太は長男なんだ。
ある時、組長が若くして病死してしまったんだ。
当然、息子の丸陳流太が二代目組長なのだが、当時はまだ10歳の子供。
そこで選ばれたのが、明石三郎だったんだ。明石組長が二代目組長として
襲名したのさ」
「という事は、明石教祖は明石三郎の息子だったんですね」
「その通りだ、だが、明石教祖には組の実権は無い。
組を仕切る事が出来るのは、丸陳流太組長だけなんだ」
「でも何故、丸陳組長は明石教祖の下で幹部をしてるんですかい?」
「そこなんだ!盛財閥だけでなく、更には伊佐屋グループの総資産もだ」
「あの、伊佐屋豊社長ですかい?」
「既に、伊佐屋豊の自宅にもヒットマンを送っている。
「伊佐屋社長も、殺っちまうんですかい?」
