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私の心の1番綺麗なところに

第15章 前に進むため





柱にもたれてみた。




変わらない、この光景。






そう、ここであなたが来るのを
待っていたんだ。



携帯見ても意味がないから
改札を出入りする人の波や
柱に貼ってある大学の宣伝を
眺めていたんだ。






変わってないね。



変わってないね。


















隆太、隆太。







ここにいま、もし

あなたが来てくれたらー











会いたい。




どうしようもなく、会いたい。










改札も、私の心も
変わっていないのに





あなたは変わってしまった…



私の心に傷と愛しさを残して



いってしまった…









きっと泣くと思った。


でも泣かないと決めた。





でも、でも…





私がいま、ここに立っている
意味はない。






隆太はもう来ないのだから。



私は誰も待っていない。


私に来てくれる人もいない。






そう思うと…




だめだね



改札が滲んで見えてきた…





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