好きになったらダメだよ
第7章 一緒に作ったらいいじゃん?
それからは手帳の日付にバツをつける日々。
……あと、1週間でテストも終わり。
伊都とは授業では会うけど、別にしゃべるわけでもない。
だから、他の女の子たちが廊下で伊都と楽しそうに話しているのをみると、正直羨ましいと思う。
[完全にはまってるね。それってヤキモチでしょ?]
と夏美には言われた。
そんなことないと言いたいけど、否定はもちろんできない。
「澤田先生」
そんなモヤモヤとした気持ちを抱えながら、職員室でプリントの丸付けをしていたら、声をかけられた。
「今日、校舎内の見回りですよ。」
2年生主任だ。
校舎内の見回りは、日直制で2人ペアで行われる。
今日は彼と組なのだ。
職員室の時計を見やると、時刻は17時前になっている。
テスト期間中は生徒は17時には校舎を出なくてはならない。
「すみません!行きましょう!」
「じゃあ僕は教室を回るから、特別教室をお願いします。」
「はい。」
プリントをガサガサっとまとめて、職員室を出た。