好きになったらダメだよ
第7章 一緒に作ったらいいじゃん?
とりあえず一番遠いところから、職員室に近付こう。
そう思って、図書室に足を運んだ。
テスト期間中は自習をしている生徒も多いが、さすがに下校時刻が迫っており、図書室に人の姿はない。
「よし、次の部屋。」
そう思って出て行こうとしたら、机に出しっ放しの英語辞書があった。
「もう、いい加減なんだから。」
辞書は図書室のなかでも、入り口から一番奥の棚だ。
そのままそこに置いておくのも、忍びなくて、私はそれを片手に奥へと進んだ。
「ねぇ……もうすぐ帰らなきゃだよ?」
あれっ……?
奥の本棚の通路から生徒の声がする。本棚は高さが2メートル以上あり、もちろん声の主の姿は見えない。
しかも聞き覚えのある声。
「……うん、分かってるよ……ちゃんと帰ったら勉強する。」
この声……
私は声のする本棚の裏側にから、半身を隠して声のする方を除いた。
なんで……!?
思わず目を疑い、辞書を落としそうにすらなった。
そこにいたのは、刈谷さんと橘。
しかも2人は抱き合って、キスをしていた。