好きになったらダメだよ
第7章 一緒に作ったらいいじゃん?
何かの見間違えかとすら思った。
もしくは橘はモテるから、刈谷さんが好きだとか。
でも明らかに二人は初めてキスするような感じではなく、舌を絡め合っている。
それに橘の手は徐々に刈谷さんの制服のスカートの中に侵入して、お尻をなでている。
「んっ……あんっ…拓海くんっ……」
刈谷さんの橘の名前を呼ぶ声に、ハッとして、私はその場にそっと辞書を置いて、二人に背を向けた。
覗きはよくない。
いつぞか橘も、私と伊都が同じような状況のときに、見ないでいてくれたことがあった。
ここは退散しよう。
うん、私は何も見ていない。
うん。
……でも
あの二人の姿に胸が焦がれて
伊都に触れたいと思ってしまった。