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好きになったらダメだよ

第2章 そのためのセフレでしょ?

食事中は保のほうがよく話す。

私は、仕事の関係上、外で話せないことも多いので、外食のときはそれが常だ。


「それでさ、愛莉、明日後輩とゴルフに行って来ていい?」


「えっ?」


ゴルフって先週も行ってなかったけ…?


いや、それはいい。保はもともと面倒見がいい方だし、最近、職場に親しい後輩ができてよく世話を焼いているのも知っていた。


だから、後輩を大切にすることに文句を言いたいわけではない。


「それで申し訳ないんだけど、今日は家に帰るわ。」


「……。」


うん、そう言うと思っていた。分かっていたことだ。


「ねえ、私の家からは行けないの?」


それでも少し抗ってみたいと思うのはなぜだろうか。


「うーん、朝早いし、それにゴルフの用具持ってきてないし。先輩に譲ってもらったクラブがあってさ、それを持って行きたいんだよね。」


眉を下げて、目の前で掌を合わせてごめんのポーズを作る保。


「来週はさ、1日空いてるから一緒に見たかった映画みよう。」


保は私が予定を入れてしまったことに拗ねていると思っている。


友達や同僚と急な予定をいれた後は、いつもフォローをしてくれる。それは保の優しさ。


そう……そんな彼に私はエッチして欲しいなんて言えない。

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