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好きになったらダメだよ

第2章 そのためのセフレでしょ?

「じゃあ、また連絡する。」

店の前で保と別れた。別れ際に、周りの目を気にしながら、唇にかるくキスを落としてくれた。



彼の後ろ姿を見つめながら、どこか空っぽな心があった。


埋まらない隙間。


季節が初夏でまだそこが救いだったかもしれない。


冬の寒さに一人放り出されるほど虚しいことはない。


「帰ろう……。」


一瞬、脳裏に川田くんの顔がチラついたが、まさか彼に会いに行くほどバカじゃない。


そう思っていたのに……。


鞄からスマホを取ろうとしたら、川田くんからもらった紙に目がついた。


なんのきなしに取り出したら、住所を書いた面の裏側に文字が書かれていた。


<来るまで寝ないで待ってるから>



……。


キュッと胸が締め付けられるような感覚が走った。



このまま……



この闇に飲まれてしまてもいいだろうか……



彼はまだ起きているの?


いつの間にか小走りで駅に向かっていた。


いつも乗る電車とは反対方向の電車に飛び乗っていた。

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