好きになったらダメだよ
第3章 声は出したらダメだよ?
彼女曰く、オフィスラブってのはドキドキするシーンで満ち溢れているらしい。
「みんなが見ていないところで、ちょっとキスしたり、身体触られたり、癖になりそうだもん。」
おいおい……って突っ込みたくなるが、私も学校でキスしたんだっけ…と思い直し、小さなため息で留めておく。
「とりあえず下着買わないとね!」
「はい?」
「だって体だけの関係なんでしょ?それならどんなにエロくても許してくれるじゃん。」
なにそれ!?どんな理屈だ。
「エッチする関係って決まってるなら、一杯エッチな気分で満たされて、興奮する方がいいじゃん。」
「……。」
「それに愛莉、けっこうエッチなこと好きじゃん。私、良い下着屋知ってるんだよねー。」
夏美には全てがお見通し。
そう保と付き合っていて、セックスレスで私が欲求不満なのも分かっている。
だから、モラルや倫理は理解していても、そこはそっとしてくれているのだろう。