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カランと氷の溶ける音。


グラスを片手に橘が溜息をつく。


絶体絶命ってやつだ。


今日は職場の飲み会。


週末の金曜日。だいたいこの時に職場の飲み会が入る。


特に私たちのような20代後半から30代半ばまでの年の近い人たちでの集まりが多い。


でも、今日は憂鬱。というか帰りたい。


20人程入れるイタリアンの居酒屋を貸し切っての飲み会だった。


最初は女だけでワイワイ飲んでたのよ。


仕事のストレスとか合コンの話とか、彼氏のこととか和気藹々話してたのに。


会も半ばに差し掛かった時だ。


駆り出されたのだ。


この橘に。


半ば強制的にカウンター席に引きずられた。