テキストサイズ

好きになったらダメだよ

第1章 好きじゃないけどいいですか?




数学準備室はドアを開けると、教員用のデスクが6つ、向かい合わせに並び、その奥に戸棚があり、数学の参考書と一緒に教師のコップやコーヒー、紅茶がしまわれている。


数学の教師は、だいたいここで仕事をこなすが、今は会議や部活の指導などで、他の教師はいない。



「座って。」



川田くんを私のデスクに座らせた。彼は無表情だ。もっとこの補講を嫌がるかと思ったのに。



「プリントが……えっと……」



どこだっけ?



デスクにあると思ったのにない。



戸棚?



物の管理が苦手なところが、私の直さなきゃいけないとこ。



川田くんに背中を向けて、仕方なく戸棚をガサゴソしていたら





急に背後から抱きすくめられた。










ストーリーメニュー

TOPTOPへ