好きになったらダメだよ
第1章 好きじゃないけどいいですか?
えっ?待って?
今、この部屋にいるのって、私と川田くんだけ?
えっ?…えっ??
「髪の毛サラサラだね。」
細い指先が私の肩まで伸びたストレートヘアに触れる。
この声。この体つき。やっぱり……
「かっ、川田くん、何してるの?座って。」
なんで、抱きしめられてるんだ!!意味不明!!
でも、なんか分からないけどめっちゃいい匂いする。
甘酸っぱくて、酔ってしまいそうな香り。
どうしよう、心臓が……
「愛莉ちゃん、心臓ドキドキいってるよ。」
クスクスと笑いながら、川田くんは私の左胸をつかむ。
「ひゃっ…ちょっと…何してるの?……座って……。」
「やだ。」
戸棚のガラス戸越しに映る川田くんは、ぺろっと舌舐めずりをして、ゆっくりと私の左胸を揉み始めた。