好きになったらダメだよ
第4章 大人って大変だね?
ご飯を食べて、「なるべく身軽で、いるものだけ持って下においで。」
と言って伊都は先に部屋を出て行ってしまった。
鍵!と思ったが、合鍵をもらっていたことをすぐに思い出した。
身軽にと言われたので、通勤鞄にもしている紺色のリュックサックに、財布と携帯とメイクポーチとタオルだけ詰めた。
さすがに洋服までは持っていないので、服装は昨日の仕事着で我慢だ。
黒の綿パンにレモンイエローの春ニット。
パンプスを履いて、伊都に言われた通り階下に行ったら、アパートの前に黒のシックなバイクが止まっていた。