好きになったらダメだよ
第4章 大人って大変だね?
1時間近く走っただろうか。
バイクは道路に沿っただだっ広い駐車場に止まった。
道路に面しているところの反対側は防波堤になっていて、その向こうが海なのは想像ができた。
「愛莉、おいで。」
バイクが止まった瞬間に、長時間同じ体勢でいたので、体の筋肉がコチコチに固まっていた。
伊都に抱きかかられるようにして、バイクから降りた。
コンビニで買った水を一口飲んだら、一息つけた。
潮の香りがする。
耳に届く波の音。
「行こう。」
伊都に手をつながれて、防波堤の横の階段を駆け下りると
日差しに照らされて輝く砂浜と海がそこには広がっていた。