好きになったらダメだよ
第5章 もし本当になったらどうする?
沈黙が再来する。
でも、もうお互いに口を開くのは躊躇われていた。
これ以上何か言ったら、地雷を踏むことになるから。
「……ちょっと考えさせて。と、とりあえず今の話は保留!保留!ご飯、お代わりちょうだい。」
保が半ば無理矢理、声のトーンを上げ、お茶碗を差し出してきたから、私ももうそれ以上は踏み込めなかった。
ただ心の中に小さな針のような穴が空いたのは確かだった。
こうやってお互いの気持ちを誤魔化してこのまま進んでいいのか、最早答えを見つけ出すことは今はできなかった。