完璧少女の苦悩
第1章 そんな私
それに、ふーんとうなずいた。
「梓ぜったい興味ないでしょ」
「めんどくさそうだし……」
「梓なら選ばれちゃうと思うけどね。何せ入試1位のお方ですから」
なぜ愛利がそれを知ってるかというと、入試1位の人がする新入生代表あいさつを私がしたからである。
「頭の良さなんて関係ないわよ」
「じゃあ私にもチャンスあるかなあ」
そう言う愛利は、本当に生徒会と『お近づきに』なりたそうだ。
教室の前に立ち、ドアに手をかける私に、愛利は言った。
「他の生徒会役員はどんな人たちなんだろうね」
――とにかく、できるだけ目立たないように。
心の中でそう唱えて、私はドアをスライドさせた。