完璧少女の苦悩
第2章 生徒会と、それから、私
廊下にいる人たちがみんな、1人ダッシュしてる私を見てるのがわかる。
手にはお弁当。中身が崩れていないか心配だ。
なぜこうなったのか。
事は、数分前に遡る。
▽
「梓ぁ……」
入学式が終わって、3日目のお昼休み。
ザワザワを騒がしい教室の中、愛利が泣きついて来た。
「数学、教えて……」
さっそく授業が始まったのだが、ちょっとおバカな愛利には理解できなかったのだろう。
清南はいちおう進学校だからね。
と言っても、最近その体制は崩れて来ていて愛利みたいな人も中にはいる。