完璧少女の苦悩
第1章 そんな私
「あの2人が来たらみんな集中できないでしょ……! イケメンすぎて……!」
「いや、そんなことないでしょ」
「そんなことあるって。梓だけでもこんなに目立ってるのに」
愛利がほら、と周りを見渡した。
見ると、周りの人がこちらをちらちらと見ていた。
1人の男子と目が合い、にこりと笑うと、慌ててそらされる。
「別に……」
「『当たり前でしょ』とか言うんでしょ? 私としては死活問題! 彼氏ほしいのに、こんなんじゃ梓に男子全員持って行かれちゃうわ」
んなわけない、そう言おうとしたのに、
「おい」
そんな声に遮られた。
「あ、篤さんと光汰さん」
愛利が軽く手を振った、その先には、心底めんどくさそうな篤くんと、穏やかな笑みを浮かべた光汰くんがいた。