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ぜんぶ二人ではじめて

第2章 そんなはずないのに

1日で曲を選び、ひたすら練習に励んだ。

私の自宅は学校から近い。

歩いて5分、走ったら1分!の距離。

私の家の前の道を、通学路として使う人は少ないけど、いることはいる。

残念ながら、晃くんは私の家とは正反対の方角だから、家の前は通らない。

毎日のように晃くんのことを考えていたのに、ここのところ根岸くんの音色ばかり考えている。
耳に残って離れない。優しくて素直でキレイなあの音色。

…透き通ったキレイな音を出したい。

感情が伝わる吹きかたって、どんなふうなんだろう?

考えることはフルートのことばかり。

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