テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第2章 そんなはずないのに

「七海ー?聞いてるか?」

担任の金子稔(かねこみのる)先生の声を聞いて、

ハッとする。

「すみません。聞いてませんでした。」

私は素直に謝る。

「どうした?悩み事か?」

先生はホームルーム中なのに、私に関心をよせる。

「まぁ……そんなとこです。」

うやむやに答えたつもりなのに、

「なんだ?恋か?」

なんて掘り下げてくれたもんだから、急に恥ずかしくなった。

内心、放っておいて!と、言いたい。

「違います!」

ピシャリ!切り捨てた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ