テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第9章 お泊まり会・1

side 一応匿名

もう夏休みに入るというのに!

市川がヤスくんに惹かれてるのを感じながら、俺はただ見守ることしかできない。

チクショー!

あんなに楽しそうなのに、水を差すようなこと俺にはできない。

ヤスくんとくっつくのはもう時間の問題だ。

俺は市川の【初めての男】は諦めよう…

その代わり困ってる時とか悲しんでる時は見逃さないで、手を差し伸べよう。

不本意だが仕方ない。

市川の幸せが一番だ。

だけど、ヤスくんはこの先、市川の、

キスする時の顔も、エロい顔も、独り占めってわけだよな。

チクショー!チクショー!チクショー…

悔しい!

マジで。

市川と付き合うのは俺以外いないと思ってた。

仕方ない。

恋愛は一人ではできないしな。

俺の気持ちを押し付けるのは簡単だけど、そんなことしたら市川が困るもんな。

市川が救いを求めてきたときに、必ず頼れて、救える男でいられるようにしよう。

決めた!

俺は市川の未来を手に入れる!

必ず!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ