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ぜんぶ二人ではじめて

第11章 心のキズ

side 七海

輝くんが出ていってすぐに、

私も外に出ようと扉を開けようと扉に手をかけた。

ガラッ!

「あれ?」

三年生の篠原 寛貴(しのはらひろき)先輩が私より先に扉を開けた。

「あ!」

「あっれー?七海じゃん!どうした?」

寛貴くんは、家が近所だから、よく知ってる。

昔はよく遊んでた。

懐かしい思い出。

「ちょっと、話してたの。ゴメンね。」

そう言って、部室を出ようとしたら、

ガラッ!

扉を閉められた。

「なに?」

「七海~!相変わらず、可愛いなー、お前。」

そう言って、頭をなでなでされた。

「寛貴くん。やめてよ。」

そう言って、見上げると、

「可愛い!上目遣い!キスしても良い?」

「やだ!もー。そういうのは彼女としてよ。」

寛貴くんは、サッカー部のマネージャーの湯本 実紗(ゆもとみさ)先輩と付き合ってるはず。

「いろんな味を知りたいのよ。ま、それは冗談として。」

そう言って離れた。

ホッ!

良かった。

寛貴くんも170センチ以上あるから、

やっぱ、怖いんだよね。

それに、顔も、強面だし。

性格はそうじゃないと知ってるけど、

昔から女の子大好きだから、なおさら。

近づかないで!

と言いたくなる。

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