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ぜんぶ二人ではじめて

第11章 心のキズ

翌朝……

私は早く起きた。

まだ、6時半……

ヤスくんの様子見に行こう……

そーっと……

のぞきこんだ。

まだ、寝てる。

近くまで行って、正座して、

今度は顔を覗いてみた。

「ヤスくん……」

ポロッと漏らした声……

と、同時に頬を片手で触れた。

ヤスくんがいてくれて、本当に良かった。

ヤスくんじゃなきゃ、これ以上の安心は得られない。

「ヤスくん……好き。」

「ヤスくん……名前で呼んで。」

「ヤスくん……」

小さな声で囁きながら、

寝顔を見つめてた。

すやすや眠ってるヤスくんを見ていたら、

ヤスくんに抱き締められた時……

すごく温かくて……

心地よかったことを、

思い出した。

ヤスくんにくっつきたい!

強くそう思った私は、

ヤスくんの背中側に潜り込んで、

ヤスくんの背中にそっと寄り添った。

温かい……

トクン

トクン

トクン……

ヤスくんの鼓動……

心地良い……。

ヤスくん、夏休み中に背が伸びたみたい。

手足も長くて、

胸も広くて……

前は、何かに集中してるときが本当にかっこいい!って思ってたけど、

今は……

すごくかっこいい!

何もしてなくても、かっこいい!

きゅぅ……

優しく後ろから抱き締めてた。

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