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ぜんぶ二人ではじめて

第18章 我慢は続くよどこまでも

side 泰宏

プールはそのあと、スライダー滑って、ものすごく楽しかった。

ナナちゃんがはしゃぐ。

手をつないだ。

ふとした瞬間、やっぱ、離したくないなって本気で思った。

こぼれる笑顔が本当に可愛い!

この笑顔を守れるのも、奪うのも、オレなんだよな。

俺たちはまた、電車に乗って、花火大会の会場に向かった。

「ヤスくん!露店がいっぱいだね!」

ナナちゃんの目が輝く。

「うん。ナナちゃん、何が好き?」

「クレープ!」

間髪入れずに答えるナナちゃん。

一番好きなんだな。

「そっか。甘いの好きなんだね。」

「うん!大好き!あ!ヤスくんは?甘いの苦手?」

「いや。苦手……ではないよ。少しなら食べるよ。」

「少ししか食べられないのは、苦手なんじゃないの?」

そう言って笑った。

「そうかもなぁ。一口とかで満足だわ。」

クレープの露店に並びながら話す。

「いちご入ってるやつがいいなー。…えっとぉ…生クリームカスタードいちご!一つください。トッピングにチョコソースお願いします。」

この並んでる間に食べたいやつを考えながら会話してるって、すげぇな。

女子ならではかもな。

そう思いながら、心のなかで笑ってた。

「ヤスくんは?」

「オレはいいよ。ナナちゃんの一口ちょうだい?」

「うん。」

ナナちゃんがニコニコしながら答える。

また、ドキドキする。

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