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ぜんぶ二人ではじめて

第18章 我慢は続くよどこまでも

花火が始まる10分前に決めた集合場所に集まることにして、俺たちは二組で別れて行動していた。

ナナちゃんがクレープを買って、オレは焼きそばを買って、露店が出てる場所から一本入った道沿いにある、小さな公園に来た。

外灯は四つ角に一つずつしかない。

そのなかで唯一照らしてるベンチに座った。

「クレープ、デザートにすれば良かったなぁ。」

と、ぼやきながら食べるナナちゃん。

「焼きそば食べる?」

「ヤスくんの分なくなっちゃうよ?」

「また買えば良いじゃん。クレープだけじゃお腹いっぱいにならないよ。」

「うん。じゃあ、少し、いただこうかな。」

「どうぞ。クレープ、持ってようか?」

「うーん。ヤスくん、ワガママ言っても良い?」

「なに?」

「クレープ持ってるから食べられない……」

「?」

だから、持ってようか?って聞いたんだけどな。

なんだ?

なぞなぞか?

少し口を開けてるナナちゃん…

……?

……!?

……!!!

分かった!

マジか?

超カワイイ!

「いいよ。はい。」

「あーん。」

ナナちゃんがパクって小さな口を開けた。

だーーーーもーーーー!

カワイイぜ!ちくしょう!

「ヤスくん、おいしい!もう一口ちょうだい?」

「あぁ。はい、あーん。」

「あーん。」

端から見たら、バカップル丸出しだな。

でも、すげぇ幸せ!

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