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ぜんぶ二人ではじめて

第19章 ちょっとだけ……

集合場所に行くと、昌樹くんと彩月ちゃんが待ってた。

ドーーーン!

パチパチパチッ!

花火が始まった。

「キレイ……」

初めて見るわけじゃないのに、

なんでか妙に美しくて、

いつも以上に煌めいて見えた。

また来年もこうしてヤスくんの隣で見られますように。

ヤスくん、私、彩月ちゃん、昌樹くんの順で並んで見てた。

「ナナちゃん……手、繋いで良い?」

コソッと、ヤスくんが屈んで聞いてきた。

「(コクン)」

キュッ……

しっかり握ってお互いの温度を確め合う。

最後の仕掛け花火の時、気がつくと周りのカップルは肩を抱いたり、腰に手を回したりしながらの密着度!

こんな人前で手を繋いでいることだって、私には恥ずかしいことなのに……

みんなすごいなー……と、思いながら、彩月ちゃんと昌樹くんを見ると、二人も、彩月ちゃんが昌樹くんの肩に頭をもたれて、昌樹くんは右手を彩月ちゃんの腰に当ててた!

ヒャーーー(*_*)

思わず、下を向く。

それにヤスくんが気がついてくれて、

「どうした?花火終わっちゃうよ?」

「あ。うん。目のやり場に……」

「あー……みんなすげぇよな。」

そう言ってヤスくんも昌樹くんの方を見た。

「なるほどね。」

そう言って、ヤスくんが、また屈んで、

「来年も花火、見に来ようね?」

「うん!」

「ナナちゃん、大好きだよ。」

耳許で小さい声でそう言ってくれた。

「私も!」

そう答えて、見つめ合った。

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