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ぜんぶ二人ではじめて

第20章 お泊まり会・2

side 泰宏

ナナちゃんと見る花火は、妙にキレイで。

毎年見てるのに、不思議だ。

見る相手によるものなのか?

ナナちゃんが、とてもキレイで、

胸がキュンとなった。

手を繋いで見られたけど、周りのカップルの大胆さに圧倒された。

その大胆なカップルが隣にいるから俺もナナちゃんも見つめ合うとドキドキした。

「ナナちゃん、大好きだよ。」

小さい声で言うと、

すっげぇ可愛い笑顔で、

「私も!」

そう言った。

そんなナナちゃんの隣にいられるだけで、とても幸せだった。

花火会場からナナちゃん家までは歩いて行ける距離。

距離にしたら3キロくらいか。

四人でワイワイ話ながら歩き始めて、

あと300メートルってところまできた。

ナナちゃんと彩月が遅れぎみになってきて、笑顔で話してたのに、無口になって、

二人がほぼ同時に……

「疲れたよぉ」

と。

ナナちゃんがしゃがんでしまった。

さすがに地面に座りはしないが。

「少し休ませて……」

彩月が道端の縁石に座った。

「彩月、汚いって。」

昌樹が言う。

「だってもう……なりふりかまってらんないくらい疲れたんだもん!」

彩月が言う。

「しょうがねぇなぁ。ほら!」

昌樹が彩月の前に行ってしゃがんだ。

おんぶか。

「まさきぃ~ありがとう!」

ガシッと捕まって、彩月が昌樹におんぶされた。

そうだな、それがベストだ。

「ナナちゃんも、おいで?」

「いいの?」

「いいよ。おいで?」

「ヤスくん、ありがとう。」

ナナちゃん、軽いなー。

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