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ぜんぶ二人ではじめて

第27章 受け入れ準備

ガサガサ……

おもちゃをしまう。

スタイをしまう。

バスタオルをしまう。

さっさかさっさか……

「終わったー!」

「よし!あとは、掃除機かけるだけだね!」

「この子に任せる!」

「おっ!お掃除ロボじゃん!こんなん持ってたの?」

「そー。たまにしか使わないけど。音がね。結構、ウルサイの。」

「そうなんだ。」

「うん。お茶にしようか。」

「うん。」

ダイニングに移動して、お茶を淹れる。

ヤスくんは、お父さんの漫画を読む。

なんだか、ちょっと、新婚さんみたい!

「ヤスくん、お茶、入ったよ?」

「ありがとう。いただきます。」

なんかムダにドキドキする。

「うまっ!玄米茶?」

「うん。」

「なんかすげーうまい!」

「モノが良いだけでしょ。私もいただきます。」

あ、ほんと、美味しい!

「そうそう、ナナちゃん?」

「なぁに?」

「たまには部活以外で一緒にフルート吹かない?」

「ヤスくんと?」

「うん。」

「私、ヤスくんみたいに上手じゃないよ?」

「そんなことないよ。一緒に吹こう?」

「うん。」

バラードからアップテンポの曲まで、思う存分奏でた。

なんだろう?

ヤスくんとだと実力以上の力が出せる。

不思議……

私の高音を出すときの癖も分かってて、そこをうまくカバーしてくれるから、吹きやすい!

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