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ぜんぶ二人ではじめて

第29章 愛をあげよう

「七海が幸せなら、別にそれで良いわー。」

「ナナが信じた道を進めば良いわよ。」

「うんうん。」

みんな頷く中、父さんが、

「俺は、七海に婿とってほしいけどなー。」

なんて言った。

「えー?私、お嫁に行きたい!」

間髪いれずに答えた。

「悲しいなー。」

父さんがしょんぼり。

「良いじゃない!海外とかじゃないんだし。すぐ近くなんだから!」

と、言ったら、

「あら!ナナ、大胆。」

と、ばぁば。



何が?

「ナナの天然炸裂だな。」

なんて笑われて……

「えー?何が?何か違うこと言った?」

反応するも、

ヤスくんも恥ずかしそうに照れ笑いして……

「ヤスくんに貰ってくださいって言ってるようなもんでしょ?」

と、ばーちゃんに指摘され、

めちゃくちゃ恥ずかしくなった!

そっか。

そうだね。

でも、

「私、ヤスくんじゃなきゃ幸せになれないもん。」

と続けた。

ヤスくんが、

「二年後、きちんとご挨拶させてください。」

そう言った。

ヤスくんの男らしい顔が、かっこよくて、抱きつきたい気持ちを抑えるのが大変だった。


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