テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第30章 ファンクラブの掟.

side 七海

新学期が、始まった。

朝、ヤスくん、彩月ちゃん、昌樹くんが迎えに来てくれた。

「おはよー。」

ヤスくんと昌樹くんが言う。

「おはよ!七海ちゃん!久しぶり!」

「彩月ちゃん、久しぶり!」

「七海ちゃんに話したいことがたっくさんあるの!」

「私も!」

冬休み中、旅行に行ってた彩月ちゃん。

楽しめたかな?

「ヤスくん!?」

「んー?」

「七海ちゃん……すっげぇキレイになってんだけど?気のせいなんかじゃないよな?」

昌樹くんの言葉が聞こえた。

「それ!私も思った!」

彩月ちゃんが乗っかる。

「そんなことないよぉ。」

ヤスくんが私を抱いた後に、言った一言を思い出して恥ずかしくなる。

“こんなにキレイになって……”

“新学期になったらみんな驚くだろうな”

そうなの?

エッチすると、キレイになるの?

だとしたら嬉しいけど……

みんなに言われたら何て答えたら良いの?

「いや!気のせいではないな!な?彩月。」

昌樹くんが白状しろーって顔で私とヤスくんを交互に見る。

キラッと光る、クリスマスプレゼントのブレスレットが眩しい。

「絶対、したね!」

彩月ちゃんもそんなことを言う。

「参ったな。」

ヤスくんが空を仰ぐ。

「ヤスくん……」

救いを求める眼差しで見つめながら呟いた。

私の視線に気がついて、

ヤスくんが、ニコッと優しく微笑む。

ドキッ!

「あぁ……したよ。」

ヤスくんが答えた。

「なーーー!やっぱ?だよな!」

「七海ちゃん、やるぅ!」

二人に冷やかされながら学校に着いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ