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ぜんぶ二人ではじめて

第30章 ファンクラブの掟.

side 匿名

ウソだ…
ウソだ…
ウソだ!

市川が俺以外の男に抱かれた!?

信じたくない。
信じない。
信じられない。

もともと可愛いかった。なのに、比べられないくらい可愛さに美しさまでまとってた!
最強に可愛い!
極上にキレイ!

俺はヤスくんと付き合い始めた時から、毎晩のように胸を抉られるような思いと付き合ってる。

はじめの一週間は泣いてた。
けど、最近は、泣くまでいかない。
ただただ、心が痛い。
折れそう。

想っても想っても、例え毎日想いを伝えても、おそらく叶わない。

だけど、諦めきれない。
諦めたくない。
諦められるわけがない。

俺は!
市川が最後に俺のところに来てくれるって信じてる!
必ず最後には俺の元へ…

信じるくらい良いだろ?

昔、俺たちは出会ってることも、言葉をたくさん交わしたことも、百華にも会ってることも、…
言えない。

百華は市川の初恋相手は俺だって話してたけど、
それを鵜呑みにするわけじゃないけど、
僅かな希望なんだ…
俺がすがれるのは、それだけなんだ。

言えない事ばかりだ…

心が折れそうだ。

だけど、市川の未来のために!
折れてたまるかよ!

負けねー!
絶対負けねー!

今から準備しておく。
いつでも市川が俺に飛び込んで来ても良いように…

ちくしょー…

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