テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第30章 ファンクラブの掟.

「ヤスくんになら何されても良い!」

なんてことも言った、ナナちゃん。

ナナちゃんがこんなに俺のことを想ってくれてるとはなー。

すっげーーー嬉しい!

「ナナちゃん!」

俺は思わず、ギューーーッと、抱き締めていた。

「ナナちゃん、ありがとう。」

そう言って、見つめると、ナナちゃんが、

「ヤスくん。恥ずかしいよぉ。」

そう言って真っ赤になった。

「いーなー。ヤスくん……」

「あれは俺!」

「置き換えるぞ!」

なんて声が聞こえて、バッと離れた。

「ゴメン、ナナちゃん。つい。」

「いいよ。」

みんながまだクッションを抱えて座っている。

俺はみんなが立ち上がれないことを悟った上で、

「そろそろ帰ろうか?」

ナナちゃんを誘う。

「うん。」

ナナちゃんが微笑みながら答えた。

「えっ?もう帰るの?」

と、輝くん。

「うん。美空と陸翔のお世話もあるし。」

「え?誰?」

「あ。うん……双子の赤ちゃんが生まれたの。」

そう答えたナナちゃんに、

「なんだって?」

「冬休み前は妊娠してなかったよな?」

「ロストヴァージンは冬休みじゃないのか?」

「どーゆーことだ?」

と、バカな早とちりを……

さすがに天然のナナちゃんも、勘違いされてると分かり、真っ赤になって、

「妹と弟が出来たの!」

と、分かりやすく言った。

「あぁ……そっか。そーだよな。」

「焦ったぁぁ。」

やっぱ、こいつら少しイカれてるかもな。笑

「市川の母ちゃんてそんなに若いの?」

悦史くんが聞く。

「うん。35歳だよ。」

「若ッ!」

「今度、挨拶させてー!」

と。

「うん。今度ね。じゃあ、お邪魔しました。あんまり変な想像したら、ダメだよ?」

そう一言ナナちゃんが付け加えた。

「了解!」

と、5人。

何だか滑稽な光景を背に、

俺たちは輝くん家をあとにした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ