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ぜんぶ二人ではじめて

第34章 贈り物

side 七海

サプライズ旅行から帰って、父さん母さんたちともお祝い。

ちょっとだけ贅沢なお料理を食べに出かけて、自宅へ戻ったら…

「市川!誕生日、おめでとう!」

そう言って親衛隊のみんながお祝いしてくれた。

「ありがとう、みんな。」

手渡されたものは、大きな花束!

「きれい!嬉しい!ありがとう。」

「七海、上がってもらったら?」

母さんがそう言うから、

「うん!良かったら、みんな、上がって?」

そう言うと、みんなテンション上がって、

「やったー!お邪魔しまーす!」

って。

なんだか子どもみたい。

リビングに通した。

母さんが花束を生けてくれた。

切り花だから、少ししたらドライフラワーにしよう。

なんて、考えてた。

花束って、初めてもらったけど、嬉しいなぁ。

「みんな、お茶飲む?」

「ありがとう、いただくよ。」

一番落ち着いてる彰一くんが答える。

「コーヒー、紅茶、緑茶があるけど、どれが良い?」

もう一度質問をする。

「全員、緑茶でお願いします。」

またも彰一くんが答えた。

「市川、花より可愛いな。」

なんて、急に彰一くんが言う。

「え?なに?」

そう返したら、

「花束選ぶとき、市川の引き立て役で良いんだって思って選んでたんだよ。花より断然可愛いから、ちゃんと引き立て役出来てるなーって思ってさ。」

そんなことを言う、彰一くん。

「変な彰一くん。」

そう返すと、

悦史くんが、

「彰一の口説き文句に全くなびかないね、市川。」

と言った。

「そうだったの?ごめんね、私、そういうの分かんないの。」

そう返すと、

「だから良いんだけどな。」

なんて、竜一くんがお茶を飲みながら言う。

「市川の淹れたお茶、うまっ!」

なんて竜一くんが言う。

「お茶の葉がお高いだけだよ。」

そう言うと、

「いやー、それだけじゃないな。あぁ、うまい。」

ゆっくり味わってくれる。それがとても嬉しい。


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