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ぜんぶ二人ではじめて

第35章 お誘い

side 七海

今日は卒業式。

三年生が無事に卒業。

篠原寛貴くんと石田克也先輩も卒業。

あれ以来、二人から何か言ってくることもなく、私もヤスくんとの恋愛で救われてたから、特に気に止めることもなかった。

卒業生が出てくるのを待つ。

寛貴くんと石田先輩が私の前に来た!

「七海。いろいろゴメンな。」

二人がそう言った。

「ヤスと幸せにな。」

石田先輩がそう付け加えた。

「はい。ご卒業、おめでとうございます。」

いつの間にかヤスくんと私が付き合ってることは知れ渡っていた。

野球部の荻谷瑞希(おぎやみずき)キャプテン、坂本崇(さかもとたかし)先輩、笹塚亮(ささづかりょう)先輩たち、野球部の面々が晃くんたち、野球部の後輩に、

「お前たちなら甲子園連覇も夢じゃない!俺たちの分も頑張ってくれ!」

と、伝えた。

もうすぐ、春の高校野球が始まるんだなー。

気がつくと、私を囲む先輩方。

「えっ?」

「市川七海さん!俺たち全員、貴女のファンでした!陰ながら癒しを与えてくれました!今日まで本当にありがとうございました!」

「えっ??あっ……えっと……」

困っていると、ヤスくんが、

「ファンクラブがここにもあったってことか。すげぇ人数ですけど……」

と、呟いた。

「俺たちと、握手してください!」

そう言って全員が頭を下げるから、仕方なく、

「は、はい……」

と、答え、一人一人と握手をした。

ヤスくんが隣で見守ってくれてた。




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