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ぜんぶ二人ではじめて

第35章 お誘い

side 七海

ーーーキラキラ…キラキラ…

水色の中にピンクと白が瞬いてる。

ーーーざわざわざわ…

風が強く吹いて目を閉じた。

ぱちっ…

目を開けた瞬間…

誰か…見たことある人が立ってた。

『七海…久しぶり…分かる?』

見たことある人はそう言った。

『…ううん。』

素直にそう答えた。

『私、百華よ。』

『ももか………』

サーーーッ

血の気が引くような感じがして、

彩月ちゃんのことを思い出した。

『…』

ガタガタガタガタ…

全身が震える。

彩月ちゃんの傷の応急処置をしていた時と同じ感覚。

怖い!怖い!怖いッ!

『大丈夫だよ。七海…。誰もいなくならないよ。』

見たことある人はそう言った。

ポロポロポロ…

知らぬ間に流れていた涙…

『百華…』

言葉にした瞬間、また、血だらけの彩月ちゃんの痛々しい姿を思い出す。

『どうして…怖い…いかないで…』

泣きながら訴えた。

見たことあるその人が、

『大丈夫だよ、七海…。いつか必ず行くべき人のもとに行けるから…』

『百華…』

もう一度呼ぶと百華は

『また忘れてて良いよ。今はまだ思い出す時じゃない。でもきっと時が来たら思い出すから…。自分の気持ちに素直になってね。』

ーーーキラキラ…キラキラ…

そういうと百華は、キラキラ光る光の中へ行ってしまった…

すやすや…まだ夜中の出来事…
それは夢なのか?
妙にリアルな夢だった。

「……?」

起きると夜中の3時。

何だったのだろう?

変な夢を見た。

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