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ぜんぶ二人ではじめて

第40章 関係性

「…ゆっくり脱がすぞ?」

「うん。」

美月をこれ以上不安にさせないように、声をかけながら脱がす。

一枚一枚脱いでいくと、もはや服はボロキレと化してた。

最後の一枚…

パサッ…

ドキンッ!

スタイル良いなぁ…綺麗だな、美月…やられなくてマジで良かった!

「ヤス兄、ありがと。少し、ここに居て?」

「あぁ。」

俺は脱衣所で待つことにした。

指の跡が結構ついてたな。

美月…大丈夫か?

「やだ…やだよぉぉぉ…」

叫び声が聞こえたから、

ガラッと扉を開けて、入った。

「どうした!?美月!」

「指、怖い!気持ち悪い!」

そう言ってゴシゴシ体を擦る。

「やめろよ。傷ついちまう。美月…」

そう言ってもやめないので、手首を握った。

「ひぃぃぃ!」

怯えた目になった。

そうか…手首も掴まれたんだっけ。

「ごめん!美月!大丈夫だよ。ヤス兄だよ。」

そう言ってシャワーを浴びながら美月を抱き締めた。

ビショビショだけど…仕方ない。こんな弱ってる美月を放っておけるわけがない!

「ヤス兄ぃぃぃ〜!あぁぁぁん!」

「よしよし。大丈夫。大丈夫だから。な?」

「うん…。」

ぐずっぐずっ…

「体、洗えるか?」

「やだ…見たくない。体…見たくない…」

「湯船に浸かって温まって出るか?」

「…ヤス兄…洗って?」

ドキンッ…

何ときめいてるんだ?俺。

「分かった…」

俺はトランクス一枚になる。

これはボランティア!

美月にときめくなんてない!

違う!

言い聞かせるくらいしかできない。

優しく背中を洗う。

「強くないか?」

「うん…」

反応したらマズイ!

そう思って声をかけながらごまかす。

「痒いところない?」

「うん…」

腕、うなじも洗った。

「前は自分で洗うだろ?」

それ以外の考えはなく、当然だよなーって…

「ヤス兄が洗って?」

怖いのか、美月は目を閉じたままだ。

「…わかった…」

首から鎖骨をまず洗った。

細くて白い首…

俺は前に回って美月のキレイな身体を再び見た。

「ヤス兄!」

「ん?」

「胸は、…手で洗ってくれない?」

「なんで?」

「なんか、ちょっとヒリヒリ痛いの。」

「じゃあ、優しく洗うよ。」

胸のあたりを見ると、引っ掻き傷があった。

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