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ぜんぶ二人ではじめて

第40章 関係性

「美月ちゃん?私、新井優菜って言います。お話しは泰宏くんに聞いたよ。怖かったね。ここじゃ体が冷えちゃうから、中に行かない?……」

動けない美月を俺が抱き抱えた。

拒否られるのは覚悟の上だ。

が、

「ヤス兄…」

そう言って俺の首にキュッとしがみついた。

リビングで話し始めた新井さん。

その間に俺は風呂を沸かした。

ホットミルクも用意した。

リビングに戻る。

「泰宏くん。美月ちゃん、相当ショックを受けてるわね。」

「はい。俺が…もっと早く阻止できてたら…良かったんです…」

「そんな風に思わないで?誰にでもできることではないわ。ましてや犯人はナイフを持ってたんだもの。怖いに決まってる。だけど、貴方は立ち向かったじゃない?!すごいことよ。」

そう言われて少し安心した。

「ありがとうございます。美月…ホットミルク…飲むか?」

「うん。」

ホットミルクを数口飲みながら、美月がまたポロポロ涙を流した。

「ごめんな。もっと早く助けられてたら良かったのにな。」

そう言ったら美月が、

「ありがとう、ヤス兄…。ほんとにありがとう…」

そう言った。

そして、新井さんは帰りぎわ、

「何かあったらいつでも相談して?」

そう言って乗用車で帰った。

「美月…風呂、沸かしてあるけど、入るか?」

「…あ…。入りたい…けど、怖い…」

「うん…そうか。服脱ぐのが怖い?」

バスタオルをかけてはいるけど、服はヤツらに引き裂かれてる。また現実を見るのが怖いのかと思ってそう聞いた。

「うん…」

「そうか。…俺が服、脱がしてやろうか?」

あくまで善意でだ。

あんな怖い体験したんだし…

「いいの?」

「あぁ。…男がみんなあんな奴らばかりだと思われても嫌だしな。」

「…うん。じゃあ、お願いします…」

「あぁ。…立てる?」

「…うん。大丈夫そう。」

歩いて風呂場に向かう。

ドキンッ!ドキンッ!

やべっ…緊張してきた!

あくまで善意!

優しく脱がす!

「バスタオル、取るぞ?」

「うん。」

「…」

思わず言葉を失った。

着てた長Tは真ん中が引き裂かれて、ブラも肩紐が切られていて、上半身はほぼ裸。下半身もショートパンツが右側を引き裂かれて、股の部分もパンツと一緒に切られて、こっちも裸同然だった。

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