テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第46章 セカンドラブ

side 七海

空手道場に通ってると言っていたリュウくん…

もう一度会いたい…

一緒に電車で帰った日から次の音楽教室のレッスン日まで、ずっとそう思ってた。

でも、次のレッスン日の時も、その次も……

リュウくんに会うことはなかった。

ドキドキした、優しい笑顔。人懐っこい瞳。忘れられなくて、思い出す度にドキドキしてた。

夢にまで見た日々…

会えずに過ぎていく時間は残酷で、そのまま想いは何かに蓋をされるようにして、封印されていった。

運動神経抜群な晃くんに出会って、羨ましいと感じて、多分、それは憧れに近い恋…でも、晃くんに再会できなかった、リュウくんの面影を求めていた。

それでも会いたかったのは…

「リュウくん…」

ポソッと呟いた自分の寝言で目が覚めた!

朝…?

時計を見ると、7時過ぎ。

もぞっと動いた自分の身体に空気が流れてスースーした。



裸?!

そう確信して、夜の出来事を鮮明に思い出す。

私、あんなに淫らになって、竜くん…全部見られちゃった…

ドキドキ…

隣で寝息を立てて眠っている竜くんを見つめて、赤面してた。

ずっと腕枕してくれてたんだ。

「…ん…」

竜くんが目を覚ました。

「…おはよ、七海。」

竜くんの爽やかな笑顔を見てますます赤面する。

昨夜から立て続けに見てる、昔の夢が頭の中で蘇った。

「おはよ、竜くん。」

恥ずかしくて、布団で顔を隠した。

裸で朝を迎えるなんて!

「七海…。…昨夜はちょっとやりすぎたよな。ごめんな。」

謝る竜くんに、何が?と思って、

「何が?」

素直に聞く。

「何がって…2回目、好き勝手やり過ぎたかなって。七海、最後に失神したろ?」

そう言われて、ハッとする。

初恋の男の子と今の竜くん…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ