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ぜんぶ二人ではじめて

第46章 セカンドラブ

七海には難しいか。

心を通わせた結果、結ばれるという考えだもんな。

俺もそうだが。

彰一は、秘密主義だから、本当のところは分からない。

「じゃ、また、部活の後にね。」

「うん!竜くん、頑張ってね!」

「ありがとう。七海もね。」

「うん!ありがとう!」

七海の爽やかな笑顔が好きだ。

小さくて可愛くて、一生懸命なところが好きだ。

護りたくなるんだ。

「竜、市川と昨夜、ヤッた?」

晃が小声で聞いてきた。

「ないしょー。」

「泊まったんだろ?」

「ないしょー。」

「一緒に寝た?」

「うるせーな。あとで話すから、今は思い出させるなよ。怪我したらつまんねーだろ!」

部活中だ。集中しないと怪我に繋がる。

「分かったよ。」

晃も気になるんだな。

俺が逆の立場だったら……

そりゃ気になるわな。

カキーーンッ!

「ナイスバッティング!」

昨夜の七海のこと、話さないとだめかな?

可愛い顔とか、感じてる顔とか、蕩けてる顔とか…

やべ…思い出すと勃つ…

守備練習になるっつーのに…

コロッ!

あ。ミスった。

「竜!集中しろ!」

「はい!」

前屈みで立つしかない。

一年のファースト、峰山 俊哉に、

「とし、ちょっと代われ。」

そう言う。

「どうしたんすか?」

「野暮用!」

そう言って、トイレに向かった。

そして、落ち着くまで待つ。

ユニホームは動きやすいけど、勃ったら分かりやすい!

深呼吸して、集中集中!

「とし、サンキュー。」

「いいえ!大丈夫っすか?」

「あぁ。大丈夫!」

パシッ!

としが時々、話しかけてくる。

外野の守備練習になった。

「先輩、彼女さんできたんすね?」

「あぁ。」

「彼女さん、可愛くてキレイで優しくて、雲の上の存在って言われてる人っすよね?」

パシッ!

「そんな風に言われてるんか?七海。」

「そうっすよ!学園のエンジェルって言われてます。」

「あながち間違いではないな。」

「俺も彼女いるんす。」

「そーなのか。」

パシッ!

「はい。でも、なかなかキス以上から進まなくて…嫌われるのも時間の問題っす。」

「重たい話になるならその辺にしとけ。あとで聞いてやるから。」

「はい!ありがとうございます!」

どうも俺はこういう奴に弱い。

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