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ぜんぶ二人ではじめて

第47章 完全看護

side 七海

竜くんが熱のある陸翔を私と預かろうって提案をしてくれた。

時間のない中で、私ができることは何かを必死で考えてたのに、竜くんはおそらくベストの応えを数秒で用意した。

頭良いなぁ、竜くん。尊敬する!

「じゃあ、2人とも、陸翔をよろしくね?!」

「これ、着替えとオムツとミルク、保険証ね。何か困ったら22時になれば電話出れるから。メールならいつでも返せるよ。」

父さんと母さんが言う。

「うん!」

「行ってきます!」

「行ってらっしゃい。気をつけて。」

2人で車を見送る。

父さんと母さんから、タクシー代をもらい、タクシー乗り場に行こうとしたら、

「七海、せっかく病院に来てるんだし、陸翔くん、診てもらった方がいいんじゃない?」

と、またもナイスな提案!

「そうだね!感染症かもしれないし!…竜くん、ホントにありがとう。」

「いいえ。」

竜くんの優しい笑顔に安心した。

休日でも小児科やってるのを確認した。

小児科は久しぶりだけど、私が小さい頃診てくれてた、塩野先生が担当だった。熱を測ると38.9℃!陸翔は熱のせいか、グズグズいってる。抱っこしてあやしてるけど、なかなか…

「市川陸翔くん?」

「はい!」

竜くんと一緒に診察室に入る。

「あれ?七海ちゃん?竜一くん?」

先生が私たちを見て、すぐに子どもの頃、みていたと気がついた様子。

「竜くんも塩野先生に診てもらってたの?」

「うん。しょっちゅう怪我してよく塩野先生にお世話になったよ。お久しぶりです。」

「そうだったんだ。先生、お久しぶりです。」

「お久しぶりだね。どうした?2人の子か?」

ニシシッていたずらっ子みたいに笑う先生。

「ちっがいます!私の弟です!」

ついムキになってしまう。

「ごめんごめん。市川先生のご子息だよね。」

「もう。先生たら!」

クスクス、竜くんも笑ってる。

「熱が高いね。七海ちゃん、こっちのベッドに寝かせてくれる?」

「はい。」

前開きのベビー服のボタンをとる。

先生が聴診器を当てる。喉を診る。耳も診る。

「おそらく風邪だろうね。喉はすこーし腫れてるけど、抗生剤はいらなそうだね。もし、熱が下がって全身に発疹が出てきたら、突発性発疹だから、また受診してくれるかな?」

「はい!ありがとうございます。」

ホッとした…

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