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ぜんぶ二人ではじめて

第47章 完全看護

「良かった…風邪なら少しは安心していられるね。」

竜くんがそう言う。

「うん!」

私が応える。

「それにしても、長年小児科医やってるけど、付き合ってる段階で赤ちゃん連れてきたのは君たちが初めてだよ。美男美女でお似合いだね。」

なんて言われて赤くなる。

竜くんも赤くなりながら、

「ありがとうございます。」

小さな声で答えた。

「いつかさ、いつか…君たちのベビーに会いたいなぁ。」

先生が続けた。

竜くんが、

「いつか子どもができたら先生にご挨拶に伺います。」

照れながらだけど、しっかりとそう言った。

「ありがとうございました!」

そう言って診察室を出た。

熱が続くようなら…と解熱剤の座薬を出してもらい、タクシーで帰った。

陸翔のカバンを竜くんが持ってくれる。

家に着いて、鍵とドアを竜くんが開けてくれる。

あ!スニーカーの紐、緩めないと脱げないんだった!

「竜くん、荷物、玄関に置いて良いから、一度陸翔を抱っこしてもらっても良い?」

「良いけど、どうしたの?」

「靴紐緩めないと脱げないの。」

そういうと、

「脱がしてあげるよ。陸翔くん、よく寝てるしね。座って?」

と、言われた。

恥ずかしくて、ドキドキする!

「恥ずかしいよぉ、竜くん…」

そう言いながら座った。

スルッと紐を緩めてくれた。

「七海の脚、キレイ…」

竜くんが呟くから、なおさら恥ずかしくなる。

靴を脱いで、リビングのソファーにそーっと陸翔を下ろした。

スヤスヤよく眠ってる。

「寝てるうちにお風呂の用意してくるね?」

「あ、うん。ん?露天風呂、一人で洗うの?」

「露天風呂は業者さんが来てくれるの。私が洗うのは内側のお風呂だけ。陸翔、熱上がりきって汗かいたから、そろそろ下がると思う。サッとお風呂入った方が良いかなって。」

「そうだね。汗たくさんかいたもんね。」

「うん。じゃあ、陸翔、ちょっとお願いね?」

「うん。起きたらオムツ見とくよ。」

「ありがとう。」

竜くんに頼りっぱなしだな、私。

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