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ぜんぶ二人ではじめて

第7章 揺れる想い

ヤスくんのおかげで、ボーッとしながらも、何とか午後を乗りきることができた。

眠たくて眠たくて……休み時間、うとうとしちゃった。

ヤスくんが気にかけて話しかけてくれて、すごく嬉しかった。

帰ったらハンカチ洗わなきゃ。

彩月ちゃんと放課後、音楽室に行った。

ヤスくんもいた。昌樹くんもいた。

「今日はフルートとクラリネットのテストです。一人ずつ行いますので、名前を呼ばれたら後ろの個室に来てください。では…」

緊張感漂うなか、静かに始まった。

ヤスくんの番で、空気がはりつめた。

ヤスくん、本当に上手。

でも、この前聴いたときより、もっと音に深みが増した気がする。

すごく、キレイ……。

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