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ぜんぶ二人ではじめて

第7章 揺れる想い

「市川さん、大丈夫?」

ハンカチを差し出すと、

目線が合った。

すごく、可愛い!

ドキン!!!

なんだよ?

ドキン!!!ドキン!!!ドキン!!!ドキン!!!

うるせーよ。

守ってやりたい……

そう。市川さんのことは本当に……なんつーか……

「怖かった。輝くん、私とエッチなことできるなら嫌われても良いって言って……首とお尻触ったの。」

それを聞いて、俺は平常心じゃいられなくなった。

「なっ!!!?」

お尻と首って……

俺はすごく悔しかった!

市川さんのこと、誰にも触らせたくない!

首なら触れるかな!……そう思って、

触っても良いって……言われて触ったけど、細くてか弱いって感じがして……ますます、護りたい……と思った。

完全に嫉妬心丸出しで、

「輝くんのバカヤロー……」

って市川さんのこと、抱きしめながら言った。

誰にも触らせたくない。

誰にも取られたくない。

俺だけの市川さんにしたい。

そう思ったら、首にキスしてた。

「予約。」

なんて答えたけど、天然で鈍感な彼女のことだから、なんのことだかさっぱりだろう。

俺をいつか、彼氏にしてほしい。

そういう意味だよ。

俺は自分がとった行動から、自分が市川さんのことを好きなんだと認識した。

その気持ちの大きさはどれほどなのか、そこは未知数だが。

気持ちはもう、固まってる。

早く言わないと、誰かにとられてしまうかもしれない。

だけど、こんな気持ちは初めてで、どう伝えていったら良いんだ?

市川さんの気持ちもきちんと考えていかないと……

なんて、らしくもなくぐずぐず考えてた。

ずっと座ってたせいなのか、いや、多分、相当怖い思いをしたからだろうけど、

「踏ん張れない……」

そう言って、立てそうもない市川さん。

もう、授業になっちゃうしなぁ。

だからってお姫様抱っこはお互い素面じゃ恥ずかしいしな。

おんぶならそこまでじゃないか?

分からないけど。

女子をおんぶなんて初めてだし。

でも、今はそうするしかないと思った。



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