テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第7章 揺れる想い

ふわっ

市川さんが覆い被さってきた。

すっげーーーいい匂い!

柔らかいし……

軽ッ!

ドキドキ、聴こえちゃうかな?

緊張するなぁ。

みんなと会わない場所で下ろしたけど、もう少しくっついててほしかったなー……

なんて。

今日、吹奏楽部のテストあるけど、うまくいきそうだな。

オレは。

市川さんもフルートだったよな。

大丈夫かな?

次の休み時間もちょっと話しかけてみようかな。

なんて考えながら、市川さんの後ろ姿を見つめていた。

どこ見てるんだろ?先生の方、見てないな。

真っ直ぐ前……?

資料とかいれとく、ガラス扉を見てた。

ん?

俺……今、目、合ってるよな?!

うわっ……めちゃくちゃ照れる!

照れ笑いしてると、市川さんも笑った。

君はどうしてそんなに可愛いんだ?

そりゃあ……アイドルみたく扱いたくなるよ。

年上の人たちからは毎日のように「可愛い」「可愛い」と言われてたから、からかわれてるのかと思ってしまって、自分の可愛さに鈍感になってしまったようだ。

「私って、可愛いの?」

なんて聞かれたとき、本当に参ったよ。

雷が鳴って……君と初めて抱き合って……

二人でドキドキするのが嫌じゃなかったって話してから、君と距離がたくさん縮まったね。

あれから何度も抱き合った。

さっき、首にキスもした。

俺……たちって……両想いなんじゃないかな?

そんなことを考えながら、見つめてた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ