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だからといって佐々木と私が
親密な関係というわけではない。

「今日も斉藤さんに嫌味言われちゃいましたよ」
「根は悪い奴じゃないよ。どうせ理佳が
口答えでもしたんだろ」
「それもあるけど……でも斉藤さんが……」

佐々木は運転しながら私をあやすように
頭を柔らかく撫でる。

いつの日からかそれが心地よく
落ち着くようになり
佐々木もそれを熟知していた。

お互いに恋愛感情は無く進展も望んでいない。

私には弟は居るが兄は居ない。

佐々木は姉は居るが妹は居ない。

だからというわけではないが
私は佐々木を兄のように慕い
佐々木は私を妹のように可愛がってくれた。