テキストサイズ

理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第44章 違った愛の形

だからといって一之瀬は
泣いている私を慰めたりはしない。

泣きたいだけ泣かせてくれる。

それがどれほど心地いいものか
一之瀬は分かっている。

年齢や経験そして一之瀬の人柄が
拙い私を包み込んでくれるようだった。

自問自答を繰り返しても
一之瀬が悪人だという
答えが出てこない。

だから泣けてくるのだ。

こんな残酷なこと
引き受けなければ良かった。

後悔した。

殺人犯の私に善人の気持ちが
残っていたとは。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ