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私の熊

第4章 待っています。




「かなこー」



熊さんは私の名前を呼んだ。
ここで普通なら、はーい。と答えるけど、
その一言すら出て来なかった。



「かなこ?」



もう一度呼ばれる。
今度は少し困ったように私を呼んだ。


「...はーい」

「今何時だと思う?」

「だって...」

「だってじゃないんだよ?寝なさい!」

「んー...」


怒られてしまった。
毎回夜更かしするから熊さんにはいつも0時には寝るんだよと言われていた。






「元気ない?」





熊さんは問い掛ける。
なんで元気ないと思ったんだろう。
そんなにわかりやすいのかな。




「待ってたよ?」



と、少し拗ねた感じに言う。
すると熊さんが吹いた。




「寂しかったの?」

「んーそゆ訳じゃないよ?」

「そーゆ訳だよ?」

「違うよ!」

「可愛いんだよ?」



またもや可愛いと言われ攻められた。
心臓は今物凄くドキドキしてる。
そうやって直ぐ可愛いとか寂しかったのとか、そんな風に優しく聞かれたりされると恥ずかしくて。



「....」

「ごめんね?」

「なんで熊さんが誤るの」

「ん?連絡遅くなったからね」



またもや迷惑を掛けている。
なんで自分はこんなにも面倒くさいんだ。

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