リモーネ
第6章 サンショウ
「かえでの家って、誰もいないんですね。
なんとなく、お母さんとか、出てくるのかと思ってました」
かえで自ら鍵を開けて入った一軒家の静けさに親近感を覚えた。
「…うん。」
「で、何するんですか?」
「うん!?」
「なんでそんなにびっくりするんです?用事があって俺を呼んだんでしょう?」
「あ、いや、うん。
えーっと…なんか、さ、一緒に居たくって」
それにしても別れ際に神崎先輩に渡されたあのちっさい瓶。
かえでがおかしくなったら半分飲めってことだったけど、いつもおかしいしなぁ…どうしよう。