リモーネ
第7章 ツツジ
喧しいアラームの音、揺れるからだ、起きての声。
怠く、重たい体には少しきついそれの原因はなにかと重たい瞼をあけると、そこには自らの恋人と見慣れない天上があった。
「あ、起きた。おはよう」
目が合うと直ぐに微笑まれ、朝の光も相まって光輝くその笑顔に少し体が火照った。
「…はよう、ございます…!?」
思った以上に掠れていた声に、昨夜の情事を思い出し、顔がカッと熱くなる
「あ~昨日のこと、思い出しちゃった~? エッチだなぁ~もう~。 セナちゃん、凄かったもんね?」
「あ、いや、それは、びっくりしたというか、えっと、あの…」
「いいんだよ。別にはずかしいことじゃないよ。なんなら俺の方が恥態をさらしたよ??」
「ぁ…あれは、凄く…エッチでした…」
かえでの挑発するような表情にそそられ思わず吸い込まれるようにキスをした
「!!」
「あ、え!あっ、すみませ、あっ、いや、すご、く、綺麗だなって!おもって、思わず!」
驚いて身を遠ざけるとすぐ壁にぶつかり、寝起きの怖さというか、判断力のなさに呆れ下を向いた。
なにも言わないかえでを変だと思い、ふと顔をあげると、ただ唇に指をあて、固まる彼がいた。
「…嬉しい」
しばらく虚ろな目をしていたが、その琥珀のような瞳をゆるりとこちらに向け、微笑んだ。
それはまるで、花が咲いたように美しく、見惚れてしまった。